◆◇◆ 薬品3 ◆◇◆

━━━━ 吐くか、死ぬか

 

いちばん避けなければいけないものが、飲んだ薬を吐き戻してしまうことである。

薬で死ぬということは、言い換えれば急性薬物中毒にかかることである。酒を飲む時を想像してみるといい。もちろんアルコールで死ねないこともない。時折り急性アルコール中毒でどこかの馬鹿な大学生が死んだりしている。

 

しかし普通はこれ以上は体が受け付けないとなった時点で吐き戻してしまう。これをアルコールではなくて薬でやろうというわけだ。そもそも適量を大幅に超えた量を飲むのだから吐き戻すのは当たり前だといっていい。この加減が非常に難しくなる。

 

吐き戻さないためにはそれなりの方法があるが、これも消化器官での吸収をよくするためのもので、対症療法程度のものである。生理的な拒絶反応で吐き戻してしまう分には対処のしようがない。とにかく致死量に向かって1錠でも多く飲み下していくしかないのだ。