◆◇◆ 薬品2 ◆◇◆

さて、ここで問題になってくるのが”致死量”というものである。当文章で薬を飲む量の基準にしたものはさまざまな文献に記載されている各薬の致死量であるが、これが文献によってまちまちだったり、大きな差があったりするのだ。

 

また致死量は各人の体格や薬品を飲み慣れているかどうかによって大きく異なるため、致死量をはるかに超えて飲んでも助かったり、少ない量にもかかわらず死んでしまったケースも多い。

 

本来なら生と死の境界を決めるはずの致死量が多彩で幅があったりするわけである。確実に死にたかったら致死量の3倍は飲めという研究者もいたりする。こうなるともはや致死量は死に至らしめる量を示していないことになる。

 

本文章ではとりあえず最小量と最大量の中間を致死的服用量としたが(特に記載がない場合はすべて大人が口から飲んだものと仮定して記載)、これはあくまでも目安に過ぎない。この致死量の曖昧さこそが、生と死の境界のあやふやさそのものを表しているのと同時に、薬物自殺を難しくしている最大の原因である。

 

ただし、くれぐれも言っておく。手首を多少切ったくらいで死ぬことはまず絶対にありえないが、この章であげていく薬は

 

『飲めば本当に死ぬ』

 

自殺気分を味わいたいだけなら、手首を切る程度にしておいたほうがいい。